夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第74回
出勤調整が始まる

銀座から外国人観光客が消え、
震災後の翌週はここが銀座なのか?と目を疑うほど、
夜の銀座は人が歩いていませんでした。
先週から営業を再開したクラブも多く、少し華やかになりました。

お茶屋BAR は、こんな時でも
お客様が心配してお顔をだしてくれます。
人の有難さとは大変な時にしみじみ感じるものです。
計画停電の影響から今後の見通しが立たず、
何人ものホステスを抱えるクラブのオーナーママの心中は
おだやかではありません。

銀座のクラブで働くホステスは、日給制です。
売上げによって歩合が日給に上乗せされ、
出勤日数に応じてお給料が支払われます。
したがって、このような時は、
ホステスの出勤調整をして支出を抑えることになります。

企業のシェアワークといった方法で
雇用を確保するのと似ていますが、
夜の銀座の場合は、同伴の予定やお客様の来店予定がない場合は
出勤しなくていい、とシビアです。

知人のオーナーママから、
「貴方のお店はどうするのか?」と尋ねられる事も多く、
「お茶屋BAR で働く女性は月給制で
雇用保険も労災も加入しているので変わりません」
と告げると、とても驚かれます。

多くの銀座のクラブで働くホステスは個人自営業者であり、
お給料システムは高度成長期のままです。
景気がいい時はいいですが、危機時には一転して、
出勤も制限され半失業状態です。
経営者としても辛い選択ですが、
それに文句や愚痴をいうホステスはいません。
稼ぐということは、それに見合うリスクを受入れる覚悟が
培われているからだと思います。

今回の震災で、住宅、家財、店舗などの損害に応じて
所得税を減税する雑損控除が適用されそうです。
源泉徴収されているサラリーマンの方も
還付手続きを行うことで納めた税金を払戻しできるそうです。
企業も震災で被った損失額を払い戻すことができる
繰り戻し還付制度の導入が検討されているそうです。

日本は、これだけの震災でも秩序ある素晴しい国ですが、
雇用が確保されていることが前提条件です。

現在、原発事故で
現場で被害を食止めてくれている方達には感謝しきれませんが、
身近な方達へも感謝の言葉を伝えたいと思います。


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2011年3月26日(土)

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