夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第78回
日本国債の暴落はあるか?(1)

大震災と原発事故とを受け、
日本国債のCDSスプレッドが上昇しています。
そこで、今後起こるかもしれないシナリオを、
『日本国債 暴落のシナリオ』の共著者の一人である
田代秀敏氏に質問してみました。

浅川(以下 A):この本は震災直前に出版されていますが、
日本国債の利回りは、震災後に上昇基調に転じています。
「原発は安全です」と言われてきたのと同じように、
日本国債の大部分が国内の機関投資家が保有しているので
「国債は破綻しない」と言われてきました。
震災後の日本国債の現状は、いかがでしょうか?

田代氏(以下T):震災後の長期金利(10年物国債利回り)が
上昇基調に転じているのです。
金利の上昇は、国債の流通価格の下落を意味します。
昨年末から、日銀以外のすべての金融セクターは、
外国人も個人投資家も含め、国債を売り越しています。

A:現在、外国の機関投資家が保有している比率は?

T:日本の短期国債のうち外国人が保有している比率は、
2010年1〜3月期に10.6%だったのが、
2010年10〜12月期は14.1%に上昇しています。
外国人が中長期国債から短期国債へシフトしているのは、
日本の財政が破綻するリスクが高まっていると見ているからです。

日本国債の保有ではなく売買を見ると、事態は更に深刻です。
今年2月の国債現物の売買のうち約14%を外国人が占めています。
とりわけ、短期国債の買付の約42%を外国人が占めています。

A:今後、外国の機関投資家が短期国債も購入しなくてなると、
金利の上昇圧力が高まりますよね。
オプションの動向はどうなのでしょう?

T:今年3月の日本国債先物の取引高の
約45%は外国人によるものです。
日本国債先物オプションの取引高はプットの約67%、
コールの約60%が外国人によるものです。
外国人が日本国債の先物や先物オプションを売ると、
国債現物の価格を押し下げ、金利を上昇させる圧力となります。

A:日本の年金、生保、地銀は国債の保有比率が大きいですから
金利の上昇は避けたいですよね

T:日本銀行の試算によれば、金利が1%上がるだけで、
合計16兆円を超す含み損が発生する「金利リスク」を抱えています。
そうなれば日本の金融システムは崩壊してしまいます。

<次回へ続く>




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2011年4月19日(火)

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