夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第87
経費と無駄の違い

銀座のクラブのオーナーママ達は、
後継者が育たないことに溜息をよくついています。
クラブのオーナーママになる方達は、
一言でいえば
「努力を努力と思わないで接客が好き」
につきると思います。

「自分ができたのだから、貴方達(ホステス)も頑張れば成功する」
と思っているようですが、傍から見ていると
「あんな努力と根性は誰でも備わっているものではない・・・」
と思います。

わたしは、銀座で最初のショットバーの経営をしていた時は、
お店の営業をスタッフに任せ、
わたし自身は時給が高いクラブに勤めていました。
周りのママ達から
「営業を任せられるスタッフがいて羨しい」と言われましたが、
逆に考えれば、スタッフに権限を委譲しないので、
オーナーママが一番頑張ってしまい、
スタッフが育たないのだと思います。

わたしの場合、お店の全ての経費、利益、税金をガラス張りにして
スタッフに見せています。
スタッフは、自分たちの歩合が増えたほうがいいので、
無駄な経費を使いませんし、工夫をするようになります。
スタッフは自分たちが独立して経営者になった時に
試行錯誤も少なくなります。

逆に全てをガラス張りにするデメリットは何かといえば、
無駄な経費を省こうとして、
お客様に提供する商品の質を落すことです。
「経費」と「支出」の違いが最初は理解できないのです。

家庭の主婦であれば、毎月の収入が決っているので、
支出を抑えるのは立派なお仕事です。
お店の経営はお客様に提供するための支出は「経費」であり、
収益を得るための必要なものです。
この必要な支出をケチってしまうと
お客様の期待を裏切ることになり、
時間の経過とともに売上に影響がでてきます。

毎日使用するトイレットペーパー、水・・
水商売はお客様があってこその商売ですから、
なるべくお客様の企業の製品を使いたいと思っています。
しかし、スタッフは
「XXスーパーで売っている水やトイレットぺーバーが安い」
と売上を伸ばすことを頑張るのではなく、
支出を抑えることを頑張ろうとします。

一昔のように経費をかければ、
その分の売上が期待できる時代ではありませんが、
大事なのは「お客様に喜んでもらう」という
働くスタッフのプライドだと思います。
結局のところ、仕事に対するプライドがある人と出会えるか
ということだと思います。





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2011年5月31日(火)

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