夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第90回
銀座のお客様が金融投資でお金持になっていない理由(2)

銀座のお客様の多くは、金融投資で成功している方は少なく、
事業をなされております。
この理由は、事業と金融投資とでは、
得られる収益源の「数」に違いがあるからだと思います。

金融投資では、購入した金額と売却した金額の差額、
配当を加えた金額が「純利益」です。
この純利益がプラスであれば、そこから税金が引かれます。

事業は、売上から「経費」を引いた金額が「純利益」です。
この純利益を最大にすることを目指します。
この経費のなかには自分のお給料も含まれます。
つまり、税金を引かれる前にお給料を経費として申告できるので、
この時点で金融投資よりも「ひとつ」収益源がふえます。

つまり、事業で資産を増やす人が多いのは、
金融投資よりも節税することが可能だからです。

次ぎに事業は株式市場に上場することによって、
上場益を狙うことが可能です。
とはいえ、未上場企業が全て上場できるわけではありませんが、
事業そのものを第三者へ売却することも可能です。

プライベート・エクイティファンドに投資されている
個人投資家の方の多くは、上場益を期待しておりますが、
優れた事業を持つ企業は
大手企業が多額の金額で買収するケースも少なくありません。
 
ベンチャー企業の若い経営者が株式公開(IPO)をして、
たちまち資産家になったというのは、
株式で資産家になったと思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、これは金融投資ではなく、事業が形を変えたものです。

事業や働くスタッフの能力も把握せずに、
プライベート・エクイティ(未公開株)出資した資金の
大化けを期待するのは甘いと思います。

お店にいらっしゃる資産家のお客様は、
資産を築いた理由を次のようにおっしゃいました。

「俺は、若い頃、人が遊んでいる時にがむしゃらに働いた。
皆が、少しお金が貯まって高い車に乗っている時も、バブルの時も
銀座のクラブで綺麗なホステスに高いボトルをねだられても
普通のボトルをキープしていた」

「常に人が遊んでいる時も、自分が遊んでいる時も、
常に事業を拡大することを考えて、
その資金をどうやって調達するかしか考えていなかったからだ」

別の不動産業を営んで、
素敵なオフィスでビジネスをされているお客様は
「一番、儲かったのはワンルームで仕事をしていた時だ。
今は、売上額もあるが、借金も多い」

お金を殖やすのは、
見栄や誘惑と戦わなくてならないのだと思いました。


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2011年6月18日(土)

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