夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第93回
復興特需

昨日、海外の金融関係者から連絡があり、
震災後の日本はどうですか?と尋ねられました。

夜の銀座は、6月は知り合いのクラブも含めて
復興特需で賑わっています。
しかし、お客様達に被災地の次のビジョンは
尋ねても不透明なままです。
相変らず、省庁関係者は「予算」、
企業は「認可」が定まらないと何もできないようです。

銀座のクラブは、4月に大幅にリストラを行い、
実力のあるホステスのみを残して営業をしています。
全体的に賃金を下げるのではなく、給料保障はそのままで、
以前よりもノルマを増やす対応です。
この辺りは、一般企業よりもシビアですが
6月で震災後のマイナスはほぼリカバリーしたようです。

既にグローバルな精密機器会社などは、
アジアに優秀な人材をシフトしていますし、
出版社も優秀なスタッフはオンライン事業部で
少数精鋭体制にしていると思います。
最近、お店にいらっしゃらないと思ったら、
長期海外出張をされているケースが多いです。

阪神淡路震災やバブル崩壊後と異なっていると思えるのは、
震災後に会社をスリム化して乗り切っているように思えますが、
その後に雇用が増える兆しがないことです。
以前よりも、グローバル化しており
海外へのシフトも進んでいることや、
IT技術の進歩があるからかもしれません。

なにより、40代半ばから後半の
不動産バブル経験者の方達がパワフルなことです。
この世代は、若い頃にバブルで
「リスクをとって攻める」ことを経験しているので、
失敗も多かったかもしれませんが、
チャンスを掴むのに長けているように思えます。

 
そして、我が国の首相を無能だと怒っていても、
何も得られませんから、無能な状況下でも
収益を求めて行動しているお客様は多いです。

働きたくても働けない事情がある方達は
救済しなければならないと思いますが、
納税する企業を救わないと、
復興特需だけで終ってしまうかもしれませんし、
気がついたら日本から実力のある企業や人材が
いなくなってしまうかもしれません。

こうして考えると、年を経るごとに
新しい能力を身につけて人脈を広げていかないと
雇用やビジネスを維持するのも大変な時代なので、
日々、アンテナを広げて
シミュレーションしていこうと思っています。


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2011年7月5日(火)

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