夜の銀座をご存知?・浅川夏樹

酔ったふりして本当のことを

第95
稼ぐことができても資産は増えない

昔、お客様が銀座のホステスの旬について
次のように言われたことが、とても記憶に残っています。

「銀座のホステスが、ペットの写真をお客に見せ、
マンショの購入について相談し始めたら、終りだな」

銀座のホステスとして旬の時は「売上を伸ばす」ことしか考えず、
攻めの営業ができていることです。
それが、自分のペットの話をするだけでなく
写真までお客様に見せるのは弱気になっている時だというのです。

不動産の購入については、誰もが憧れることですが、
お客様にプレゼントしてもらう魅力がないことを悟り、
自分で老後のことを
なんとかしなくてはならないと感じている証拠で、
守りの営業になっているからだということです。

お客様にしたら、ペットの写真よりも
自分の写真を持歩いていてくれたほうが嬉しいでしょうし、
不動産のお話は「少し、何とかして」と言われるのも
恐ろしい相談に思えるのかもしれません。

銀座のホステスは
同年代のサラリーマンよりも2倍以上稼ぐ方もいます。
しかし、その多くは35歳過ぎにクラブの第一線から退き、
行方不明になります。

どんなに稼ぐことができても、運用が出来ず、
お金の使い方が間違っていれば資産は残らない
と思わざるを得ません。

わたしも、クラブで働いている時は
株式投資で数百万円を損しても「働けばいい」と思っていました。
しかし、タイムリミットが近づくにつれ、
稼ぐことも大変になってきますから、
負けない運用と良好な人間関係を心がけるようになりました。

お金の使い方は、ホステスという仕事柄、
ブランド品や高級品を身につけるのは
いわば経費のようなもので仕方がないことですが、
お客様から与えられることに馴れ、
良い人間関係を築くために人にお金や時間を使っていないので、
若さが失われた後に人から支持されなくなってしまいます。

料理人の方も若い時は辛い修業ばかりですが、
ホステスのヘルプ時代は
理不尽にも先輩ホステスの売上に協力をしなければなりません。
しかし、その辛さを乗越えていく過程で
お客様から支持をいただき、それが「誇り」に変わっていきます。

お金も愛情も与えられるよりも、
与えるほうが苦労は多いけれど、
人を育てていけば、残るものは大きいと思います。
苦しい時こそ、踏ん張って
前のめりで頑張っていきたいと思います。


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2011年7月16日(土)

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