10才若く見られたかったら・TOMOKO

今日からはじめる、アンチエイジング生活

第23回
101歳のお友達

ロウズ師(元聖職者なのでこう呼びます)は
この9月で101歳になりました。
英国人の友人ジェーンのお父様です。

若い頃は英国領ケニアで警官をしていました。
40代半ばで定年退職し(昔は定年が早かったのです)
英国に帰国した後、神学校に入って
50歳を過ぎてから英国教会の牧師になりました。
75歳で牧師を引退し、
妻を亡くしてからグループホームに入りました。

このロウズ師もそうなのですが
英国の老人は成功者というのではなく
普通の人でも何か年下の者に威厳を感じさせ、
尊敬の念を抱かせるものがあります。

それはいったいなぜなのだろう、と長いこと考えていましたが
一つ思い当たることがありました。
日本の老人になくて英国の老人にあるもの、
それは「自立」に対するすさまじい執念です。

彼の住むグループホーム
(篤志家が一戸建て住宅を寄付したもの)には
通いのお手伝いさんが一人だけですが、
彼女の仕事は昼夜の食事のしたくと共有部分の掃除のみなのです。

このホームは自立した老人のためのもので、
身の回りのことができなくなると
ナーシングホーム(養護老人ホーム)へ
移らなければならないのですから、自立に必死です。

朝食は紅茶とトーストを自分でつくります。
部屋の掃除は週一度ヘルパーさんにお願いし、
洗濯物は娘に頼むほかは一切を自力でやります。
数年前までは一人でバスに乗って
大好きなクリケットを観戦に行っていました。

私は「アンチエイジング・マニア」ではありませんので、
歳をとることは恐れません。
しかし、「醜く浅ましく」歳をとることは恐れます。
どっちにしたって歳はとるのですから、
「美しく、堂々と、威厳をもって」年老いていきたいものです。
そのための鍵は「自立」に対する意気込みではないかと
最近思っているのです。

もしかしたら、今日本人が緊急に必要としているのは
「年金制度の抜本的改革」なんかよりも
「美しく、堂々と、威厳をもって年老いていくためのノウハウ」
なのかもしれません。


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2007年11月8日(木)

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