10才若く見られたかったら・TOMOKO

今日からはじめる、アンチエイジング生活

第34回
「国際理解」って何?

わが敬愛する恩師・バーコブ博士は
アメリカ文学研究者でユダヤ系アメリカ人です。
先生ご夫妻が来日されたとき、
食事にご招待することになりました。
ところが、これが難問です。

ユダヤ教徒は豚肉(豚肉の加工品、ラードを含む)を
食べることができません。
魚は尾ひれとウロコのある魚以外は食べられません。
(旧約聖書に書いてあります。)

なにしろ、えび・かに・貝類・イカ・蛸などは
一切食べられないのですから日本料理は無理です。
さんざん悩んだ挙句、焼肉を食べに行くことにしました。
われながら名案だと思ったのです。
しかし、赤坂の韓国料理屋でスープをオーダーする段になって
先生は「原材料は何だね?」

さすが、外人客の多い赤坂の料理屋だけあって
料理の横に原材料が英語で書いてあります。
私が読み上げます。
「ワカメ、豆もやし、豚肉 ・・」
「豚肉!だめだ! 次・・」
こうして、すべての原材料を読み上げてオーダーが完了したとき、
私はがっくり疲れてしまったのです。

よく「子供に英語をやらせて国際人にしたい。」
と言う方がいらっしゃいますが、
英語と国際理解とは何の関係もありません。
英語が話せる人は国際感覚があるなら
英語教師はみな国際人ということになりますが、
国際人の英語教師なんて見たことがありません。

だいたい、一生涯ラーメンも食べられない宗教を理解できますか?
私は理解できません。
別に理解できなくてもかまわないのです。
自分と異質であるものの存在、理解できないものの存在に耐え、
それを尊重する態度を「寛容(トレランス)」というのです。
国際感覚とはこのような態度を指すのです。

思うに「いじめ」というのは国際感覚から最も遠いものです。
あれは、自分たちと違ったもの、
異質な者を排除する行為だからです。
自分の子供に国際人になって欲しいと望むなら、
親のやるべきことは、
大枚はたいて子供を「英語教室」に送り込むことではなく、
「いじめ」をしない子に教育することでしょう。


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2007年12月4日(火)

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