10才若く見られたかったら・TOMOKO

今日からはじめる、アンチエイジング生活

第42回
心に残るおしゃれ男

「私が今までの人生で出会った最もおしゃれな男性はだれだろう?」
と、考えているうちに、
若い頃に出会ったとてもおしゃれで素敵な男性を思い出しました。

その方は私が大学院時代に教わっていた
シェイクスピア学者の小津次郎先生です。
先生はシェイクスピアの翻訳で有名な
小田島雄志先生の師匠にあたる方ですが、
そのころ、すでに東大をご定年なさっていて、
60代後半か70歳に近いご年齢でした。

おしゃれでグルメで東大時代のお話は一切なさらず、
大真面目な顔で面白いことをおっしゃる先生は
女子院生にとても人気がありました。
いつも大学院の女子学生に取り囲まれているので、
先生のまわりには何となく華やかな雰囲気が漂っているのです。

先生は毎年夏休みに研究のために英国に行かれて
ロンドンで洋服をあつらえるのでした。
自ら生地屋で生地を選び、
それをサビル・ロー(注)にある、
昔からの馴染みの仕立屋にスーツやコートに仕立てさせるのです。

(注)サビル・ロー[Savile Row]:
  ロンドンのメイフェア地区にある男性服の仕立屋の多い通り。
  かのウィンストン・チャーチルやナポレオン3世も
  サビル・ローの仕立屋をひいきにしていたそうです。
  日本語の「背広」は
  「サビル・ロー」が語源だという説がありますが
  真偽のほどはわかりません。

冬になると
すばらしく上質なカシミアのコートをお召しになっていましたが
長身痩躯の先生によくお似合いになりました。
あるとき、白と黒の細かい千鳥格子のスーツに
濃いグリーンのネクタイと
同じ色のマフラーを合わせていらっしゃるのがとてもおしゃれなので
院生が「素敵ですね。」と申し上げると、
先生は「僕は人生の中で今が一番派手だなぁ。」
とおっしゃっていたのが印象的でした。

確かに、若いころは地味で渋め、
歳を重ねるごとに派手になってゆき、
70代、80代で最も派手というのは
男性のおしゃれとしてはいい路線ではないか、と思うのですが。
どうでしょうか?


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2007年12月22日(土)

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