第97回
病気を治す３つの方法（１）

何年か前、確定申告に税務署に行ったら
税務所の方が私の申告書を見て、
「ええっ！（生命）保険に入ってないの！？」と驚くのです。
「ええ。加入していません。」とすまして答えると
真剣な顔で「保険に入ったほうがいいよ。」

「こいつは保険屋の回し者か？」と一瞬疑ったのですが、
どうもそういうことではなく、
若くもない独身女がガン特約付き生命保険にも加入していなくて
何かあったらどうするのか、
と純粋に心配してくれているらしいのです。
彼の親切には感謝しましたが保険には入りませんでした。
生まれてから一度も生命保険というものに入ったことがありません。

「それじゃ、ガンになったらどうするんだ？
手術や放射線療法やら抗がん剤やら高額の医療費がかかるのに！」
と言われそうなのですが
病気に対する私なりの考えがあるのです。

今でこそ汗をかきたいのでホット・ヨガをやっていますが
もともとは「沖ヨガ」というヨガの一派を長くやっており、
「沖ヨガ指導員養成コース」に通って
ヨガ指導員の資格まで取ってしまいました。

このヨガを始めたのは沖正弘先生という日本人です。
私が沖ヨガを始めた頃は
すでにお亡くなりになって10年以上経っており、
私はビデオでお話を聴いたほかは
先生のご本で勉強しただけなのですが
先生のことを自分の「人生の師」と思っています。
私が通っていた沖ヨガ教室の大先生は
沖先生の運転手兼秘書のようなことを長くやっていらして
先生のエピソードをうかがったことも何度かあります。

沖先生は陸軍中野学校を出て
戦時中はスパイとして
ユーラシア大陸で諜報活動をなさっていました。
僧侶の姿をしていろいろな宗教の修行を体験し、
大陸各地の民間医療法などを研究なさったのち
ヨガの修行をして戦後日本で「沖ヨガ」を創設します。

「沖ヨガ」はある種の総合健康法のようなもので、
アサナと呼ばれるヨガの行法はその一部にしか過ぎません。
食事・心の持ち方・呼吸法などすべてを整えるのです。