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第7回
少林寺武術の修行(2)
なぜ、いま武術なのか
少林寺武術は中国武術の最高峰として有名で、
武術鍛練の一つとして硬気功などを
修行していることは知られていました。
しかし修行の中で少林寺気功が
重要な位置を占めていることは、
ごく最近まで知られていませんでした。
それは気功を門外不出の極秘として、
直弟子にしか教えなかったからです。
少林寺は禅宗のお寺で、
隆盛時には2千人以上の僧が修行をしていました。
禅僧の日課は座禅と瞑想です。
僧たちは座りっぱなしなので運動不足になり、
これを解消するために、
中国に伝統的にあった気功を積極的に
日々の生活の中に取り入れたのです。
そして武術の訓練と相補いながら
少林寺独特の気功法を生み出し、
少林寺気功が編み出されたのです。
これは心身統一して
人体の潜在意識を引き出すものでもありました。
気功の訓練では、
気を養うという意味の「養生」あるいは「養気」と、
気を練るという意味の「練気」という2つの方法があります。
養気は性(精神)を鍛え、練気は命(肉体)を鍛えます。
これを「生命双修(精神と肉体の両方を鍛える」といいます。
精神と肉体を鍛えると、心身が統一され、
人間の理想の状態になるからです。
この状態は自然なる静の状態です。
日本の武道である剣道や柔道の世界には、
気合いという言葉があると聞きましたが、
これは体が動いていても
心が自然なる静の状態のことを指すのではないかと
私は考えます。
気を巡らせることとは少し違いますが、
気を使い、心身統一することでより強くなるという意味で、
生命双修とつながる一点があると思うのです。
少林寺武術の真髄はイメージを強く持ち、
呼吸を合わせて気を巡らせ、
心身統一した体を思い通りに動かすことです。
イメージを強く持つということはすなわち、
集中力を結集させることです。
少林寺武術にはおよそ700種の型があり、
内功と硬気硬などの訓練で全身各部分の運動能力を
最大限に発揮する方法を学びます。
本来、硬気硬72芸のうち
一つを修得するために一生かかる、
と言われるほど修行は厳しいものです。
少林寺武術は、
気功の訓練によって運気(体中に気を巡らすこと)と
用気(体内の気を実際に使うこと)を図り、
気の大事なツボである丹田(へそ下3センチのあたり)に
集中した気を、手、足、頭という体の末端から発し、
鍛えられた筋力、技を使い、
全身の力をもって相手と戦うものです。
だからこそ少林寺武術は無敵と言われるのです。
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