第74回
もとはといえば

私がなぜ運動指導の世界に身をおいているのかといえば、
祖母と父の存在がとても大きく関係しています。

もともとからだを動かす事が大好きだったせいもありますが、
小学校5年生の時に祖母はガン、
父が狭心症で倒れるという
一度に二重の出来事があったからに他なりません。
それは“死”というものを
私にとても深く意識させたものでした。

その後祖母は他界し、父はというと
それまでの生活を一変させて体力の回復を待ち、
体重を落とす為に運動を始めました。
多摩川の土手で、前をキッとみつめて走っていた姿を
今もしっかりと覚えています。

食事はというと、野菜を中心に鍋で煮込んで温かくしたもの。
味は超〜薄味で、味も素っ気もありません。
子供だった私は
「病気になると、こういう味のものを食べる事になるんだ!」
と感じたものです。
父はタバコを昔は吸っていたようですが
私はその頃を知りません。
けれどお酒が大好きで毎日晩酌はかかさなかったこと、
仕事でのストレス、そして“肥満”まではいきませんが
体重がオーバー気味であった事も原因の一つでしょう。

みるみるうちに父のからだはスマートになり、
早寝早起きをしっかり遂行。
気温の差が激しいのは心臓に良くないので
お風呂はぬるめ。
玄米を中心として、
今では夜8時以降は物を口にしません。
その徹底ぶりは見事で
自分の父ながら感心されどうしです。

食事と運動がからだを治す。
その実践を目の当たりにしてきた私は、
人間が存在する以上
これらはなくてはならないものだと痛感しました。
そして、どうしたら痛い目に合う前に防ぐ事ができるか、
また運動経験のなかった人への動機付けを
どのようにしていけばよいのか、
私の闇への鉄砲打ちはスタートしたのです。


←前回記事へ 2002年12月16日(月) 次回記事へ→
過去記事へ
ホーム
最新記事へ