第80回
インスリン!

さて、心疾患の危険因子についての説明を続けていますが、
今日はそのうちの一つ、糖尿病についてです。

知っていそうで以外と知らないこの病名。
・1型=インスリンの分泌がなくなった状態
・2型=インスリンが作用しづらくなったり
分泌量が減少した状態
に大別されます。

では、タイトルにもあげましたインスリンとは何か?
これは私たちのすい臓から分泌されるホルモンの一種です。
食事をすることで体内に糖分が入ってくると、
インスリンは血糖を下げる働きをしてくれます。
が!糖尿病というのは
このインスリンがうまく作用しなくなってしまい、
血液中の血糖値が上がりっぱなしになってしまうのです。

高血糖ともいうこの状態。
そのままにしておくと、血液の糖分濃度が上昇して
サラサラ〜と流れていた血がドロドロ状態になって、
狭心症、心筋梗塞、脳卒中・・・
といった重い病気への扉をたたくことになります。

事前の症状としては
のどの渇き、頻尿、体重の減少など。
3大合併症といわれるのは
・網膜症(失明につながる)
・腎症(蛋白が尿中に出てしまうので、蛋白補充が必要など)
・神経障害(手足の感覚が麻痺、化膿しても気付かないなど)

こうしてみると
なかなか一筋縄では許してくれないのが特徴です。
日本で大多数をしめているのが2型タイプで、
基本治療は食事と運動。
自らのコントロールが求められます。
いまや患者数は600万人ともいわており、
薬代1人、300円かかるとしてもなんと18億円の医療費!
クラクラしそうな数字です。

病気と人間。切っても切れない縁ではありますが、
防げるところは先手必勝!でいきたいですね。


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