第120回
呼吸とともに骨盤も

骨盤はからだの中心なので動きすぎてはこまりますが、
まったく動かないわけではありません。
前回ご紹介したように、開閉運動をしながら
体調を整えてくれています。

普段、なにげなく行っている呼吸も
肺だけではなくその下に位置している横隔膜も動いています。
横隔膜をしっかり動かした呼吸をすると、
その下にある腸がストレッチされて
血液循環や栄養分の廻りが良くなるとも言われています。
私も試してみようと思い、朝、外出する用意をしながら
腹式呼吸を意識して大声で歌っていたら、
便意をいつもより強く感じて良い具合でありました!

腸がストレッチされるなら、それがおさまっている骨盤も
動かないはずがありませんね。
ここで自分のからだを感じてみてください。
緊張したりストレスを感じたり、
仕事にグッーとのめりこんで頭がフルに回転している時、
肩に力が入って妙に上がっている事ってありますよね。
骨盤も同じでわずかですが上下運動を行っているのです。
どのように動くかというと、
頭を使ってものを考える・・・
企画をしたり、創造したりする知的な活動をすると
骨盤は上に動きます。
上があればもちろんその逆もありえるわけで、
リラックス・・・
つまり頭が“休め”モードになって物事にとらわれず、
心がスポンジのように柔軟、
アメーバーのように変幻自在な状態とでもいいましょうか。
これらは呼吸とも連動しているので
腰に手を当てて、そのわずかな動きを感じとってみてください。

時々教室では二人組みになって、
お互いの骨盤に触れ、閉じる方向と開く方向に導きます。
相手の呼吸を感じながら4〜5回行うと、
立位で行う前屈に、あきらかな違いがでてきます。
最初は指先が床から遠い状態でも、
これを行った後は指先が床に届く、
あるいは、手のひらがぺッタリと床に着く状態になります。
腰を手で触れられる心地良さと、
からだが柔らかくなった!という実感で、
この時の皆さんの表情が一気に明るくなるのです。
次回は“ねじり”について。ウエストをねじると細くなる?!


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