第166回
長さ40〜50センチ、太さ1センチの正体

先日食事をしにセルフサービスのお店に入った時のこと。
後ろに並んでいた女性の会話です。
「私、すっごく肩こりがひどかったんだけど
姿勢をチョッと意識するようになったら全然平気になったの。
カバンを左右交互に持つ手を変えたのも良かったのかな。」
そう言いながら友人とカバンの重さを比べっこしていました。
こうして自分で不調に気付き、
今までとは違う習慣を取り入れてみるという
積極的な取り組みはとても貴重ですね。

さて誰もが気になるこの姿勢。
今日はまず“中味”がどのようになっているのか
考えていきましょう。
脊椎動物である私たちの体内にある神経は
脊柱管の中を通っている
脊髄神経というものに支配されています。
その正体は成人で40〜50センチ、
太さは約1センチにもなるのですから
重要な働きを担っていることは言うまでもありません。

チョッと小難しいお話になりますが、
何か行動を起こそうとした時には
電気インパルスを伝達手段として
A:脳→脊髄→抹消神経→筋肉
と伝わってからだを動かします。
また皮膚や筋肉に受けた刺激は
Aとは逆の経路を辿って脳に伝えられるのです。

そして脊髄は頚椎部、胸椎部、腰椎部で
それぞれ31対もの神経がからだの各器官に伸びていって
からだの様々な働きをつかさどっているのです。
脊髄はいわば体内にある神経の親分さんで
ここが安定することで
子分である細くてデリケートな全神経が
初めて正常に働いてくれるのですね。
40〜50センチにもおよぶ長〜い神経をコントロールするのは
そう!私たち自身の習慣です。

明日はどんな動作がゆがみにつながるのか、
また具体的な症状や猫背の種類について
考えていきましょう。


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