第185回
伸ばしすぎ注意報

「スキーで膝の靭帯切っちゃって・・」
という話を聞いた事ありませんか?
よく耳にはしても、
靭帯がいったいどんな働きをしているのかは
意外と知らないものですよね。

私たちの膝には靭帯が4種類
・内側(ないそく)側副靭帯
・外側(がいそく)側副靭帯
・前十字靭帯
・後十字靭帯
がありますが
内側・外側に焦点をあげて
その役割を、普段の行動と照らしあわせながら
考えていきましょう。

内側、外側の言葉どおり
この靭帯は膝の内と外についています。
内側は細長く骨にぴったりとくっついていて、
外側は太くて短い、そして若干のあそびを保った状態で
骨に付着しています。

ご存知のとおり膝は前後方向にしか動きませんね。
前後にしか動かない状態は特に膝を伸ばした時に顕著です。
膝を伸ばせば靭帯もピンとはった状態になるからです。
膝が横に動いてしまうと立ったり歩いたりする際、
とても不具合が生じてしまいますが
この靭帯が横方向への動きを防いでくれているのです。

けれども時には膝が少しだけ横へ動く事もあります。
それは膝を少し曲げた時。
この時はさっきとは逆に靭帯が緩むのと
内側側副靭帯の方が縦方向に長い形をしている事から
伸びやすい性質を持っている為、
膝が内側に動きやすくなります。
けれど横方向への動きは極力さけねばなりません。
それはなぜでしょうか?

横に伸びるクセを靭帯に与えすぎると
次第に伸びきってしまったり、
切れやすくなる恐れがあるからです。
また内側側副靭帯は
衝撃をやわらげるクッションのような役割をしている
“半月板”ともともとくっついている事から
あまり内側を伸ばしてしまうと
靭帯が半月板に食い込んでしまう可能性もあるからなのです。

“女の子座り”といって
両膝を内側に倒した座り方がありますよね。
あれは内側側副靭帯がグーッと引っぱられた状態なのでNG!!
もし見かけたら注意をうながしてあげて、
なぜ良くないのかも説明してあげれば言うこと無し!ですね。
さて、明日は膝つながりでおさらの働きについて、です。


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