第4回
フットワークが軽い
日本とインドの考え方の違うものに、
スピード感とリスクのとり方があります。
インド人は、ビジネス上のつながりを求めて、
いろいろな会合によく顔を出します。
そして、知り合った人とは、機会があればすぐに協業します。
私がインド人パートナーに、「あの業界のこういう人に会って
欲しい」というと、割と簡単に実現します。
逆に日本では、中小企業や個人が大企業側に面会を求めても、
簡単には会えません。
一方日本では、会って名刺交換しても、
簡単にはビジネスとは行きません。
先日も、ある会社の人から「今はお互いの信頼を醸成している
期間で...」と言われました。
すなわち、リスクはとらない期間ということです。
インド人は、建前の付き合いの方が時間の無駄と考えます。
そしてビジネスになるなら、すぐに始めます。
この時、相手の信用度については、会った印象、会社の状況調査
に加えて、先にお金をもらうか、先に仕事をやらせることで、
そのリスクをヘッジします。
このようにインドには、会って相手が信頼できると思ったら、
すぐに仕事に繋げる、ダイナミズムがあります。
日本企業は特に海外が相手だと、過度にリスクを見がちで、
スピード感に欠けます。
相手をスピーディに見極め、リスクヘッジを講じつつ、
機敏に対応しないと、インドでは置いていかれます。
また先日は、あるインド人から、米国から連絡がありました。
その数日前にはインドにいたのですが、
以前米国勤務時代の友人とビジネスの相談だそうです。
彼は自分でビジネスをしていて、お金と時間はある人ですが、
それにしてもフットワークが軽いと思いました。
彼らは、人脈を活用した情報がお金になることを
よく知っているのです。
それで、知りえた情報を使って行動に移すのも早いのです。
この辺りのスピード感は、
インド人の行動から見習うべき点が多くあります。
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