インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第9回
過去の良い行いは、報われる

インド人は記憶力が良いです。
インド人との会話で気がつくことは、
「あの時ああ言った」とか、
「あの時あそこで待っていてくれた」など、
以前の事をよく言います。

インドでは古くから、過去の行いが現在、
そして来世を決めるという考え方があります。
それが、過去の行いを忘れないことにつながるのだと思います。

言いたいことは、普段から良い行いをする人は。
必ずやインドビジネスで成功する、ということです。
過去に良い行いをしてきていれば、
後々周りのインド人がきっと力になってくれるでしょう。
ただ、だまされることだけは、ないように注意して下さい。

去年、知り合いのインド人の友人が経営する会社が、
日本企業に納めたカーテンがクレーム返品となりました。
その際、そのインド人社長の頼みで、
クレーム品の返品を預かりました。

そうすると、
もともとの知り合いのインド人もかなり感謝してくれ、
その後の私への対応も一層やさしくなったように感じます。
それからは、仕事のネタも持ってきてくれるようになりました。

インド人は、何かをしてもらったら、
その相手への感謝をずっと持ってくれます。

インド進出においても、
現地で付き合う相手への善行の積み重ねは、
後に必ず報われることになります。

最初はすぐには儲からなくても、
時間をかけて信頼を得ていく精神でのぞめば、
必ずや経験値(=人脈X信頼)は積み上がって行くでしょう。
それは、以後のビジネスにおいて、
大きな力になることは言うまでもありません。

と言うことで、最初は小さくても、
なるべく早い時点からインドとの付き合いを始め、
善行貯金を積んでいくようにしましょう。
インドの自動車市場では、
近年世界の巨大メーカーが次々インド市場に本格参入しています。
それでもスズキは、ずっと高いシェアを維持しています。
これも、スズキのインドとの
付き合いの時間の長さから得た信頼が、
後続に対する大きなアドバンテージになっているのでしょう。


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2011年9月27日(火)

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