インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第10回
インド人は「忙しい」と言わない

今日は、「忙しい」について考えてみます。
以前サラリーマン時代には、
まわりにいつも「忙しい!」と言っている人がいました。
それは、「忙しい人」イコール
「多くの仕事の依頼を受けている人」イコール
「できるヤツ」であることの証だからです。
また、「余計な仕事は持ってくるな」
というアピールの意味もある
でしょう。

このことを考えた時、そう言えばほとんどのインド人は、
「仕事をしよう!」と前向きに話しかけてくるだけあって、
インド人から「忙しい」という発言は聞いたことがない、
と気がつきました。

私の場合は、インド人でもサラリーマンの人との会話は少なく、
中小企業経営者や、
自営業者が多いということが関係しているでしょう。 
彼らは、仕事を少しでも多くすることが
自分の収入と正比例するので、当然といえば当然の態度です。

そのことは考慮しても、インド人は「忙しい」と言いませんね。
そしてそれだけでなく、
逆に「何でもやる」という姿勢です。
それが、「あの人に頼んでみよう。」
という気にさせられる雰囲気につながっているのです。
この姿勢を続けていくことは、「忙しい」という人と比べて、
自身の仕事の幅や人脈の蓄積などの点で、
将来必ず大きな差となって現れてくるでしょう。
これはインド人の商才の一つだろうと思います。

私も、このインド人の「忙しい」雰囲気を出さない姿勢は
見習っていこうと思ってます。

ただ、「私はできる」、「ぜひやらせてください」と言って、
仕事をとった後で、受けた仕事が多過ぎて、
なかなかこちらの仕事をしてくれる時間がない、
と感じることもあります。

ですので、仕事を出した後本当に十分時間をとってやれる
状況にあるのかは、こちらが事前に心配して、
確認しておくようにしましょう。


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2011年9月29日(木)

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