インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第11回
全体の中の位置づけを意識する

インド人とのコミュニケーションの際に
私が気をつけていることは、
全体の中での位置づけを意識して話すということです。

インド人は空間認識力があると言われています。
これは、自分の位置を過去や
未来の中で位置づける輪廻転生という
インド古代からの思想とも関係するでしょう。

それで仕事においても、
全体の中における自分の位置を知ろう
という意識が強く働くのです。

ですのでインド人に仕事を委託する場合は、
やってもらう仕事の背景、目的、これまでの経緯、
そしてその後の展開などをあらかじめ
説明しておくことが大事なのです。

インド人がいろいろ聞いてくる事に対して、
「いいからやって!」などと言って、
説明を省くような依頼の仕方はダメです。

それではモチベーションが高まりませんし、
全体がわからないと
指示された業務範囲内で創意工夫もできないからです。

そして、もうひとつ大事なことは、
仕事が終わってからも
顧客のフィードバックを伝えてあげることです。
その上で反省や総括をし、
想定される次のフェーズの予定も伝えることです。
例えば検討してもらった仕事が失注したとか、
中止になった時に、
その連絡をしない人が多いので注意しましょう。

こうした直接関係ない周辺情報を伝達するのは、
面倒くさいかもしれませんが、
これは自分の頭の整理にもなるものです。
また、仕事の成果が出た時は、喜びを共有できて、
連帯感が生まれる効果もあります。

それに関連して、
先日当社が輸入代行しているものについて、
日本側顧客にお願いして、
電話でインド側製造業者と一言直接話してもらいました。
これなどもそうで、インド側業者にとって、
実際のエンドユーザーの声を直接聞くことは、
顧客を感じる事ができ、モチベーションも上げるものです。

このように、全体像を示す、
関係する周辺情報を伝えることを心がけるようにしましょう。


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2011年10月4日(火)

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