インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第15回
成功報酬への態度

インド企業は、当然ながら、収入の最大化を第一に考え、
そのための費用は当然にかけます。
また彼らは、トライ・アンド・エラーで新たな仕事を開拓し、
収入増の機会を常に探るというのが基本方針です。
であればこそ、収入が確定しないのに、
支出だけが確定するようなことは極力避けようとします。
ですので彼らが業務委託する場合は、]
先に支払いだけが確定することのない
成功報酬で支払う形態を好むのです。

一方でインド企業が仕事を受ける場合には、
成功報酬は好みません。
これも経費だけが確定するからです。
この点は、インド企業との契約の際でよく議論となる点です。

こういうケースがありました。
ある日本企業が、インド企業との長い交渉の末、
苦労して成功報酬で仕事を委託することに成功しました。
しかしその後、日本側の不可抗力の理由で、
突然その仕事は中断されてしまいました。
仕事を受託していたインド企業にとって、
それまでの労力はタダ働きとなってしましました。
インド企業は、「だから言わんこっちゃない」と怒りました。
それ以来両社の関係は途切れたままです。

インドと長期的に良い関係を続けたいと思えば、
成功報酬での契約は極力避けるようにした方が良いです。
一方だけにリスクが偏るような契約は、申し出た時点で
相手の印象がよくないですから。

一方成功報酬を好むインド企業ですが、
オーナーである社長自身は、
営業のためなら旅費はいくらかけてでも
どこへでもバンバン出張します。
それによる営業上の効果や、自身の人脈構築は
ずっと自分の財産となるものであり、
会うことの効果は費用以上のメリットがあるからです。

ですので実際の金額による報酬でなくても、
相手にとって経験が詰めるなど、インド企業にもメリットがある
しくみを考えれば、成功報酬契約でもうまくいくでしょう。

とにかく長期的にWin−Winとなるような方針で考えれば、
うまくいくということです。


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2011年10月18日(火)

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