第16回
インド株の最新状況
HiQのサイトへのコラムということで、空気を読んで、
ここでインド株についても触れておきましょう。
インドでは、中間層の間でも株式投資は一般的になっています。
ただインド人はリスクを嫌う傾向がありますので、
知り合いのインド人に聞いても、
多くの人は株式投資の比率は小さく、
利益確定や損切りも早いようです。
インド経済の現在の概況ですが、
2011年4−6月期の実質GDP成長率は、
1−3月期の前年同期比+7.8%から
同+7.7%へと僅かに鈍化しましたが、
引き続き高水準の伸び率を維持しています。
私のインド人パートナーに聞いても、皆仕事は多く、
消費意欲も相変わらず旺盛です。
ハーレー、ヴィトンやベンツなどの高額品も、
よく売れているようです。
インド人は、インド経済の将来に対しては、
皆明るい見通しを持っています。
しかし現在のインド経済で最大の問題はインフレで、
今年8月のインフレ率は7月の前年同月比+9.2%から
同+9.8%に拡大しています。
これは、依然堅調な内需や、
賃金などのコスト上昇が要因です。
インフレを抑えるため、インド準備銀行は、
9月16日に政策金利であるレポレート
(RBI による市中銀行への貸出金利)を
0.25%引き上げ8.25%としました。
これは2010年3月以降12回目の利上げとなるもので、
引き上げ幅は計3.5%となりました。
相次ぐ利上げでローン金利が上昇した結果、
7、8、9月の自動車販売台数は前年割れとなりました。
今後もルピー安の進行による一段の物価高が、
内需の伸び悩みに繋がる可能性もあります。
こうした状況下にあってインド株式市場は、
下落基調となっています。
9月末までのインドSENSEX株価指数は、
年初から20%近く下げています。
今後インフレが収束する兆しが鮮明となれば、
経済ファンダメンタルズの良好なインド株式市場を
再評価することになるという見方は多くあります。 |