インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第17回
あやまらないインド人とうまく付き合うには

インド人は、議論においては基本的にあやまらず、
自分の正当性を主張します。
この点日本人は、親や先生から「言い訳はするな!」
と教えられて育ってきてますので、
インド人の言い訳を聞くと、
正直ムカッとします。

しかし、インド人と長く付き合っていると、
それは「お約束」のようなもので、
言い訳はあるという前提で、
冷静に対応できるようになっていきます。

何か問題が起きてそのことを指摘した場合、
インド人側から"I'm sorry."という言葉がでなくても、
けっして怒ってはいけません。
言い訳があっても怒りは我慢して、
問題点の指摘はし続けることです。
ただしこの時、同時に信頼の気持ちも伝える事が大事です。

こうした行動を繰り返していくと、
だいたい1、2年もすると
" I'm sorry"も言ってくれるようになります。
それが聞けたら、お互いの信頼関係はかなり築けた
といっていいでしょう。

しかし付き合って間もない頃は、
あやまらないインド人に対して、
こちらもあやまらずに主張するというスタンスで良いでしょう。
あやまると、こちらが非を認めたということで、
より強気な態度で来るようになりますから。

ただし、インド人の中でも、
こちらに問題があればすぐにそれを認めた方が
良い結果になる場合もあります。
それは、こちらの紳士的な態度が、インド人から見て、
普段の交渉とは違う、
こちらは正直で紳士的な人間であることを
感じてくれる人もいるからです。

それを見分けるには、普段の業務の中で、
些細なことだがこちらに非があることがあれば、
あやまってみて下さい。
そしてあやまった直後に、
小さなお願い(ちょっとした仕様追加や値引き要求等)を
してみてください。
その時に素直に受け入れてくれれば、その人は、正直で、
真摯な対応をした方がより信頼感が築ける相手だ、
ということがわかります。

でも、あやまって効果のある相手でも、
いつもあやまるばかりでは、
こちらの業務遂行能力を疑われますから、
それはやめてください。


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2011年10月25日(火)

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