インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第20回
ドライで金儲けに熱心?

私が聞く相談で時々あるのが、
雇用しているインド人の「賃上げ要求が煩わしい」とか、
「働きが悪い」と言うものです。
その場合、そういったことで悩んでいる人の多くは、
インド人は基本的に「ドライ」で「金儲けに熱心」で、
「カネで動く」と考えているようです。

もちろんそういう人もいますが、
そういう頭でインド人に対すると
うまくいかないことが多いので注意しましょう。
インド人は「ウェット」で、「意気に感じて動き」、
「長い目で見て自分のためになるかを考える」タイプである
と思って行動してみて下さい。

数年前のことですが、初来日したインド人を大阪まで行って
出迎え、いろいろと世話をしてあげたことがありました。
彼は、私と会ったことを喜んでくれ、離日までの間、
楽しんでくれました。

するとインドに戻ってからも、彼との会話の中で、
「日本であなたはあんなことをしてくれましたね」とか、
「あの時は楽しかったです」などと時々言ってくれます。
彼は、私のパートナーの一人なのですが、
それ以後私からの依頼には、
より良い条件で応じてくれるように
なったと感じています。

これなどは一例ですが、
彼以外にもインド人はウェットで、
意気に感じて仕事をしてくれる人たちだとよく感じます。

やはりインド・ビジネスをよりうまく導くものは、
心のこもった付き合いや相手への心遣いといったことですね。
それがあると、表面的な契約上の履行にとどまらず、
もう一段の対応が得られるようになります。

インド人はお金は好きですが、人との付き合い
(人的なネットワーク)はそれよりも上位に置いています。
お金はその時だけですが、
人的なネットワークは、その後永続的に、
お金も含むメリットをもたらしてくれるものであることを、
よく知っています。

こうした点が大事であるとするなら、日本人にとって
インド・ビジネスというのは向いている、
と私は思っています。


←前回記事へ

2011年11月3日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ