第22回
インド企業では、上司には絶対服従
インドの大企業の経営者は、欧米で教育を受けた人が多く、
グローバルな視点を持った優秀な経営者が多いと言われています。
またインド企業では、オーナー企業が圧倒的に多いこともあり、
基本的に上司の命令は絶対です。
これは、カーストなどの社会的規制に永く縛られ、
押さえつけられてきた文化的な背景もあります。
それで、インド人には長いものには巻かれろという態度が、
身についているのです。
以前、知り合いのインドIT企業の日本支店の営業の人から、
突然に連絡を受けたことがありました。
一通りの挨拶の後、「何でもしますので、何か仕事はないか?」
などと、執拗な営業トークがありました。
私は、「これは上司から売り上げに関して、
かなりのプレッシャを受けたな」と感じ、
そう言ったらやはりそうでした。
またこんなこともありました。
先日昔一緒に仕事をしたインド企業の一行(4人)が
来日した際に、私に電話をかけてきました。
私も電話での英会話はしんどいのですが、
インド人は義理堅い面があるので、全員が交替で電話に出て、
結局4人すべてと話ししました。
そこでこの4人の中のある人が、
これまで服従していた上司の人の問題点(悪口)を
指摘したくだりがありました。
これは、「どういうことかな?」と思ったら、
やっぱりその上司は降格されて、
話をしているかつての部下と同レベルになっていたのでした。
このようにインド人の間の上下関係と言うのは、
端から見ても、非常にわかりやすいものです。
インド企業では上司の権限が絶対ですから、
反対にインド企業に対して営業したい場合は、
いかに職制上位の幹部にコンタクトできるかが勝負になります。
そのためには、例えばインド企業から調達する際には、
相手企業の幹部を引っ張り出し、その幹部と人脈を築いておく
といった努力が必要になります。
インド企業は、経営幹部同士で人脈を持ってますので、
これも売り先の幹部とコネを作る方法になります。
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