インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第24回
インドでのビジネスにおける納期の問題

品質、納期、価格という仕事で大事な3要素の中で、
インドとの仕事においては、注意すべきは納期と品質、
特に納期です。

比較的納期の長い業務の場合、進捗確認は必ず必要です。
ただ、これもあまり頻繁にやりすぎると、
(1)こちら側も負荷がかかる
(2)お互いの人間関係上の問題が生じる
(3)次回以降の発注でその分の負荷を見越した高めの見積となる
(4)予定調和でお約束の経過報告となる
というような弊害が生じます。

ですので、適切な頻度での適切な確認が必要になります。
そのために、長い期間の業務では、
作業を日本国内よりも短いフェーズに分けて、
その区切り毎に確認していくことが大事です。

以前、その区切りを前に進捗確認を行った時の話です。
話してて、「進捗がないな」と感じました。
なぜなら進めていたら出るはずのない質問があったからです。
ただ、そこで怒っては絶対にだめです。
ここは、それ以降の相手のやる気を高めることに集中します。
そうすると、
次回区切りの確認までには仕事を進めるでしょうから。

あとインド企業は、以前に約束した日時から遅れるといった、
自社に都合の悪い情報は、聞かれてはじめて言う
という傾向があります。
最初はその人の性格かと思っていましたが、
総じてそう言う感じです。

そして状況を尋ねると、
「実は**については、**の問題があった
が、もう解決したので明日までには可能だ」
という前向きな答えになります。

このあたりは、問題はあるが両者の間で波風は立てたくない
という日本人にも通じる感覚があるようです。

納期については「適切な頻度で確認」し、
その際には笑顔でプレッシャーをかけるようにしましょう。
まずは、相手が何でも話してくれることが最優先ですから。

もうひとつ、相手により厳格な時間管理を求める場合は、
我々の側も質問にはすぐに答えるなど、
日本人の側もよりスピーディに進化していかなければなりません。


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2011年11月17日(木)

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