インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第26
インド人上司、インド人顧客に好かれるためには

今回は、インド企業で評価される人についてお話します。

私がインド企業を見た限りでは、
開発など純技術職の場合は別として、
昇進が早いのは、性格が明るく、
上司とのコミュニケーションが上手な人です。

特にインド人の場合は、上司の立場は圧倒的に強いですから、
その上司が求めているものを他の人より早く知り、
彼のいろいろな種類の要求に、柔軟かつ迅速に応えられることが、
上司の覚えめでたくなるための条件です。
昇進を決める上司にとっては、
当然そういう部下の方が有難い存在でしょうから。

こうした傾向から、
これからインドに売り込もうとする
日本企業の営業マンに当てはめて顧客に気に入られるためには、
このような上司の受けが良い部下と同じような態度をとることです。
またインド人のお客さんとのコミュ二ケーションをよくするには、
インド人は良くしゃべるので大変なんですけど、
彼らの話をよく聞いてあげることを心がけるべきでしょう。

先日、知り合いのインド人ITエンジニアが、
年に一回のインド帰省をするというので、電話がありました。
そのインド人はIT技術者ですが、
コミュ二ケーション力に優れた人です。

そういう彼ですから、リーマンショックなどの荒波を乗り越え、
日本の比較的大きな会社である顧客から大事にされ、
もう10年も契約解除されることもなく、
その顧客のところで仕事をしています。

インド企業と同様日本企業においても、彼のような特に明るく、
話のあう、まじめな人間が好まれますね。

ちなみにその彼は、先日役職が昇進していました。
ただし、給与はほとんど変わってないそうです。

これは将来の昇給の可能性を示すことで、
現在のコストをあげることなく
優秀な社員のモチべーションを維持するという、
そのインドの会社のやり方だそうです。

したがって昇給は、この後しばらくしてあるのでしょう。
これも当面のモチベーションを維持する工夫なんでしょうね。


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2011年11月24日(木)

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