インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第50回
小さくても具体的な案件

今回は、インド企業との良い関係作りに
大事なことについて示します。

インドの業者は、新たな取引を始めようとする場合、
目先の仕事の利益より、その顧客と将来にわたって
長い取引ができることの方に重きを置きます。

ですので、初めての相手の
モチベーションを上げようとする場合、
長期取引の可能性があることを
アピールすることが大事になります。

そして長期的な関係構築とともに、
目の前の仕事の進め方で大事なことは、
リズミカルに、確実に仕事を進めることです。

「訪問しても見学するだけ」、
「会議しても何も決まらない」、
「インド側からの質問への回答は持ち帰った後で」、
「検討の結果がいつまでも出ないし、何の経過報告もない」、
などのことはインド人をいらいらさせ、
「日本側は本当にやる気があるのか?」
という気にさせます。

こういうことが2、3回続くと、
ものごとが進まない顧客とみなされ、
仮に実案件が出ても、
「物事が遅い」リスクを見込んだ価格となります。

案件が中止になったり、
インド側に良い状況でなくなった場合は、
そのことをすばやくインド側に伝えるようにしてください。
それは何にも言わないことより、
あるいは聞かれてから答えるより、
数段良い印象を与えることになります。

日本企業のインド訪問の場合では、
以前は「インドを知る」というような目的が多く、
面会で具体的な商談が進むケースはほとんどありませんでした。
それは、いつも対応したインド側をいらいらさせました。

インド人は基本的に、大きいか小さいかよりも、
小さくても具体的な案件を好みます。
とにかく物事をひとつひとつ確実に進める、
ことを大事にしましょう。

インド人のモチベーションを上げるには、
小さくてもいい、「具体的な案件」です。
とにかく、インド側との交渉は、
「一歩一歩リズミカルに進める」
このことを肝に銘じてください。





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2012年2月16日(木)

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