インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第54回
インド社会は型どおりではないと考えましょう

インドはもちろん法治国家で、
ものごとは法に乗っ取って処理されます。
また、インドは欧米の商習慣に従った契約社会であると
一般に言われています。

しかし一方で、インドはネットワーク社会であり、
インド人は自身のネットワークを活用して仕事をします。
このことは、個人的なつながりの深さによって、
得られる情報に差がでることを意味します。

これは、日本企業と
インド企業の関係においても言えることで、
お互いに実績を積み、信頼関係が生まれてくると、
こちらの要望に柔軟に対応してくれるようになるものです。
そうなるために我々は、
長く付き合う中でお互いの信頼を深め、
担当者同士で良い人間関係を築くようにしなければなりません。

私がインド人に
「こういう人に聞いてみて下さい」という時は、
そういう人間関係を利用した、表面的でない情報や、
特別なサービスも期待しているのです。
ここが、日本人がインドの現場で、
正面玄関から情報収集していては出来ない部分になります。

日本人がウェブサイトにあるコンタクトメールを出したり、
電話してもなかなかつながらなかったり、
返事が来なかったりするのはよくあることです。
しかしこうした相手でも、知り合いのインド人に
コンタクトをお願いしたらすぐに連絡が取れる
などと言うこともよくあることです。

ですので、インド事業を行う場合、
こちらの意を汲んだインド人を前面に立てて交渉に当たる
というのが有効なゆえんです。

要は、インドでビジネスには、
至る所で特別なサービスがある
という前提で考えたほうが良いでしょう。
ですので、インド人同士のそういうネットワークの中に入るよう、
多くのインド人と知り合い、良い関係を築いて、
彼らのネットワークを利用できるように持って行くことでしょう。

もちろん、ネットワークやスキルのないインド人も多く、
インド人なら誰でも良いという訳ではないのは当然ですが...。





←前回記事へ

2012年3月1日(木)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ