インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第71回
少し鷹揚に接してください

先月、1年ぶり位に日本にいるインド人IT技術者から
連絡がありました。
彼の会社はそこそこ大きな会社で、彼は技術者ですが、
営業も行っています。

彼曰く、以前面会した日本企業に営業を兼ねて再度会おうと
連絡してるのですが、
何ヶ月経っても外出中と言われるということです。
要は、ずっと居留守を使われてるという相談というかグチでした。

インドの特徴のひとつに、小さな会社でも、
大企業の人にアポが取り易いと言うのがあります。
これは相手が小さな会社であろうと、
情報を得る機会を大事にする文化があるのだと思います。

日本社会も、もう少しベンチャー企業や小さな会社に
やさしくなるべきと思います。
それが起業を促す風土を作り、
経済に活力を与えることにつながると思います。

もうひとつ、日本がインドに比べて顕著なことは、
お客様が偉いと言う感覚の強さの差です。
日本は、お客様の要求には極力応えようとしますし、
契約後の仕様変更や追加にも極力応えてくれます。
こうした環境にあると、
どうしても売り込んでくる企業を
下に見る風潮があるように思います。

特にインド企業の売り込みは、
直接的でかつ押しが強いので
結構嫌がられやすいかもしれません。
でも、インド企業は上記のような環境になじんでいるので、
そんなに嫌がられることをわかってないのです。
ですので、多少鷹揚に接していただければと思います。

居留守などと言う行為は、そのインド企業との関係を
完全に絶つようなことで良い事はありません。
その会社、あるいはその人に、
将来何か聞きたいことが発生する可能性もないとは言えません。
人間関係を断ち切るような対応しても、
何のメリットもありません。

インド企業から営業のコンタクトがあった時、
その会社と会いたくない場合は、
今はインドは時期でないと断れば、何も問題ありません。
さすがに断れれば、
そのときは会いたくないのだとわかりますから。





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2012年5月1日(火)

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