第83回
見積依頼してみる
前回、インド人パートナーの見極めなどについて記しました。
この見極める力をつけるのには、
やはり、多くのインド人と会うことが最も良いと思います。
それは、できれば小さくても一緒に仕事ができるなら、最高です。
しかしこれは、相手企業が初めての場合はリスクが大きく、
実際にはなかなか難しいでしょう。
ところが、お金をかけずに一緒に仕事をしてみる、
良い方法があります。
それは、見積依頼をしてみることです。
しかし、そのためには、
インド企業が見積るための見積範囲を記した
仕様書を事前に作っておく事が必要です。
また、依頼先の企業からの
多くの質問に答えるという必要がありますから、
こちら側に十分な時間がある時がいいでしょう。
私は以前、製鉄会社で発注側として、
インドでソフト開発を行っていました。
当時、インドのソフト会社は、
コンピュータ・ソフトウェアのスキルは十分でしたが、
製鉄所の生産管理に関する業務知識や経験の
あるところがほとんどないため、インド側から出て来る質問には、
的を得てないものが多く、かなり閉口しました。
しかし今日では、ソフトのスキルはもちろん業務知識の点でも、
世界での豊富な経験があり、そうした点はだいぶ改善されてます。
これはソフトウェア業界に限らずそうです。
ただ質問の数が多いことは変わりません。
まぁこの点は、誤った解釈で仕事を進められても困るので、
自分の負荷がかかる事はがまんしないといけないでしょう。
この見積依頼するという方法は、見積が出るまでのやり取りや、
提出される見積書や見積仕様書を見ることで、
相手企業の実力や態度、考え方などがよくわかり、
大変な学びを得る事ができます。
そしてもうひとつ、この見積依頼が
本当の業務に基づくものでない場合は、
業務が延期になったなどの理由をつけて、
きちんとフォローの連絡を依頼した企業宛てに
必ず入れるようにしましょう。
こうした連絡をしないと、インド企業からの信頼を損ね、
その後の良い関係作りを阻害することになりますので。
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