第87回
インド人の会社選び
日本には、多くのインドIT企業が拠点を置いています。
日本の大手IT企業は、顧客企業の海外進出、
人材の確保やコストダウンなどのため、
インドの拠点を拡充しています。
また海外での大規模システム開発の実績を評価して、
インドの大手IT企業に
システム開発を依頼する企業も増えています。
一方で、コストダウン目的の受注を狙った、中小のインドの
システム開発企業にとっては、依然として厳しい状況のようです。
それで中には、日本から撤退する会社もあります。
そのような会社に勤めていたインド人は、
その機会にインドに帰る人もいますし、
日本に残って就職活動をする人もいます。
彼らの就職活動は、基本的に
インド人仲間のネットワークを使って、
インド人を求めている会社を見つけようと努力します。
そしてそういう会社を見つけると、
経済情勢や世の中の流れなどを勉強し、彼らの求める人材像に
近づくよう努力し、そのようにアピールします。
「こういう状況だから、
私が会社に入ってこんな仕事をすることで、
会社は売上を増やすことができます」などと言うのです。
論理的に攻め、相手の気持ちを引き付けようとするのです。
また収入についても、周りの相場を良く勉強して希望します。
そうして入社後も、業績をアピールして、収入アップを図ります。
インド人を雇用している日本企業の方とお会いすると、
インド人社員からの賃上げ要求への対応に苦慮している
という話をよく聞きます。
しかし一方で、お金よりも仕事内容や
意気に感じるかを大事にするタイプのインド人も多くいます。
そういった人は、給料の額以上に、
自己の成長や、楽しく仕事のできる環境を重視します。
私は、雇用側の日本企業は、
給与ばかりに気を取られる傾向が強いように感じます。
日本企業はインド人社員に、
今後のキャリアアップや企業の成長など、楽しくなるような
将来像をもっと感じさせていく努力をすべきでしょう。 |