インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第88回
長期的関係構築を志向するインド企業

先日の祝日のこと、日本人顧客からの連絡はないので、
ゆっくり仕事をしていました。
するとインド人パートナーのひとりから、
チャットでのコンタクトがありました。

その彼は、まだ付き合って間もないこともあり、
インドでの簡単な調査業務を頼んでいました。
彼は押しが弱いタイプで、
思いっきり叩いた金額で、その仕事をやってもらっていました。

仕事はまだ途中でしたが、さすがに安すぎると思ったのか、
金額のアップを頼んできました。
休日で、気楽な感じでチャットをしていたので、
彼も本音を出しやすかったのでしょうね。

まぁ、彼とは今後もいい関係でいたいので、
いいところで折り合いました。

インド企業との契約で、一度決めた金額を途中で上げることは
普通はありません。
ただ、最初は安く仕事を受けて、
次から見積金額を上げていくインド企業は多くあります。
インド企業は、一回の仕事で儲けるより、長くいい関係を
続けていこうという傾向が強いのです。

我々としては、こうした傾向を頭に置き、
最初は極力安い金額で決めるようにした方がいいでしょう。
そして、いい仕事をしたら、その次から少しづつ金額を
上げてあげるような考え方で臨むのが良いでしょう。

良い仕事をしたら報われると思わせたら、
インド企業はより一層良い仕事をして、
長く良い関係を続けようと思うのです。
また、こちらを誠実な良い会社とも認識してくれます。

インド企業は、金払いや、コミュ二ケーション、
または仕様変更時の対応などが悪い会社とわかったら、
付き合うのをやめるか、条件を一気に上げてきます。

インド人やインド企業は、表面上は契約に沿っても、
彼らのモチベーションによって
実際の仕事の出来栄えが大きく変わるのです。
このことは大事なことなので、
インド人と仕事をする際には、肝に銘じておくべきです。


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2012年6月28日(木)

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