第90回
言い続ける
先日、見積が出るのに
時間がかかっていたインド企業があったので、
「そんなに時間がかかるのであれば、
本番でちゃんと納期を守れるのか心配になる」
と精一杯の警告を発しました。
多くのインド人は、問題点や行動に対し
否定的な意見を言われても謝らないし、落ち込みもしません。
本当はそう言われて、少し凹んでくれると、
こちらも言った甲斐があるのですが...。
しかし、昨日はそう言われて
「今一生懸命やってます」という返事があり、
その数時間後に見積が出てきました。
そして、その見積金額は、
こちらの意向を汲んだものとなっていました。
まぁ、それが一種の気持ちの現れなのでしょう。
それでこちらも、通常の良い関係モードに変わりました。
インド人に対し強烈に文句を言うのは、
相手のプライドを傷つけるので、
特に人前では避けた方が良いでしょう。
しかし相手の改善して欲しいところは、
その都度必ず指摘し続けることは、絶対にしなければいけません。
言わなければ、それで問題ないのだと思われますから。
当社は他に、インドからハーブ関連の輸入も行っています。
そことは、取引開始後から、欠品、破損、汚れや梱包の問題など、
まぁ次から次へと問題が発生しました。
そこで、こちらも負荷的に大変なのですが、
ひとつひとつ問題を言い続け、改善を依頼し続けました。
代わりが効く相手であれば、取引先を変えるのも手です。
しかし、その取引先は、品物自体の質は良かったことと、
相手に改善していこうという意思が見られたので、
我慢して改善を求め続けてきました。
そして、一通りの問題が改善して、安心して取引ができる
ようになるのに、だいたい2年程度かかりました。
インド人は、なかなか謝りも、凹みもしないけれど、
その一部は間違いなく相手の心の中には届いています。
我々としては、決して根負けせず、
ひたすら言い続ける事が大事です。
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