インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第94
メーリングリストによる情報の共有

インド人はネットワークを広く持ち、
その力で仕事を解決していきます。
ですので、インド人ビジネスマンは
多くのコミュニティーに属そうとしますし、
一度入ったコミュニティーを大事にします。

彼らがその情報交換の一環として良く使うのが、
メーリングリストです。
最近では、Facebookの活用が進んでいますが、
昔からあるコミュニティーや年配者の間では、
今でもメーリングリストも使われています。
これは、Facebookなどと違い、
メンバーへメールが送られるので、
タイムリーでかつ見逃されることが少ない
というメリットがあります。

メーリングリストでは、それぞれが
メンバーの今後のビジネスに役立つような
有益な情報を知った場合に、
それをメンバーに一斉メールするのです。
そして、こうした情報をきっかけに、
関係のあるメンバー同志で、
新たなビジネスが生まれたりすることもあります。

そうしたインド人コミュニティーの
メーリングリストのいくつかに私も登録されており、
いろいろな情報が入ってきます。

以前、インドの新聞に紹介された
ユニクロの柳井社長のコメントが、
あるインドの中小企業の社長の息子のメーリングリストで
紹介されました。
柳井さんの発言は、日本は内向きにならず、外、
とりわけ途上国からも学ぶべきだ、という主旨のものでした。

また昨年の震災後には、別のインド人から、
日本は震災で大きなダメージを受けたにも関わらず、
インドのインフラ整備に新たに1200億ルピーの借款を供与する
というのもありました。

このように、メーリングリストに流れる情報には
日本関連のものが結構多くあります。
日本のマスコミでは国内市場の将来性に悲観的な意見が多い中、
インドでは日本市場に引き続き大きく注目している
メーリングリストからもわかります。

また、日本から(良い点も悪い点も含めて)
インド人は多くのことを学ぼうとしているのです。


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2012年7月19日(木)

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