インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第95回
善行、利他行を積む

インド・ビジネスをうまく進めていくためには、
付き合うインド人との関係を深めていくことです。
付き合うインド人との関係を一歩先に進めることができれば、
ビジネスにおいても特別な条件や情報をくれるようになるのです。

そのような関係になるのに最も効果的なことは、
まず「頼まれる」関係になることです。
つまり、人のために尽くすことです。

インド人はウェットです。
インドの人は日本人以上に、自分の頼みに応えてくれると、
恩義に感じ、一段進んだ関係になれるのです。

インド人から頼まれるようになるには、
まずは与える事ができる知識や技術を磨くことです。
その上で、普段から仕事以外の話もするように心がけること、
相手の話をよく聞いてニーズを知ること、
そして自分は忙しいというオーラは出さないことが大事です。

インド人から頼まれる存在になり、それに応えていければ、
それらの行為は間違いなく自分に返ってきます。

私は、京セラ創業者である稲盛和夫さんが塾長をされている、
「盛和塾」という経営者の勉強会に参加しています。
先日、その盛和塾の例会に参加してきました。

稲盛さんの教えには、これまでの日本的経営の
良い点が凝縮されているように思えます。
しかし、インド人など外国人社員と気持ちをあわせたり、
外国企業を使う際にも全然応用できる点が多々あります。
実際、最近では中国にも盛和塾の支部ができ、
その経営哲学を記した本も中国で売れています。

稲盛さんが説く「六つの精進」の中に、
「善行、利他行を積む」というのがあります。
これは、善き事を行っていけば、自分の人生、
すなわち仕事にも良いものとなっていくこという教えです。
インド人との関係でも、まさしくこの考え方が大事だと思います。

テクニックは世界でやり方は変えても、
本質的なところでは接し方は日本もインドも同じなのです。


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2012年7月24日(火)

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