第97回
危機対応力が見られている
昨年の東北の地震の際には、
多くのインド人から激励とご心配の連絡がありました。
もちろん心配してのものですが、
それとともにこちらの対応も見られている気もしました。
まずインド人は心やさしいですから、
基本的に日本の被災者と
私を心配してのものであることは間違いありません。
ただ上述の意味するところは、それに加えて、
私の危機時の対応力も見られているということです。
つまり、その心配の連絡をくれたのは、
ほとんどが当社の仕事の委託先、
すなわち当社が顧客であるインド人です。
ですので、まずはその地震で私が無事であることを確認した上で、
今後も仕事を出せる状態であることを確認する意味もあります。
それに加えて、困難な状況でも、
明るく将来を見据え、
大丈夫、心配するなと言うかを見てるということです。
この時、深く落ち込んで、力を失くしてるようだと、
顧客として、頼りないなと感させてしまうことになるのです。
顧客はお金をくれる人ですからもちろん大事にはしますが、
中でも長期的・安定的に利益をもたらしてくれる人、
自分のキャリアアップにつながる仕事を出してくれる人、
行儀が良くて、自分の働きを正当に評価してくれる人には、
特にモチベーション高く、良い仕事をしてくれます。
インド人に対して仕事を出す関係の場合は、
俺についてくれば大丈夫という
リーダーシップをしっかりと見せて、
頼りがいのあるところを見せる事が大事なのです。
インド人は、太古の昔からカースト制度などに縛られ、
権威や上司など上の人間にはさからわず、
従えと教えられてきました。
若者の間には、こうした状況に反発し、
もっと自由に開放されたいと言う感情も高まってはいます。
しかし、インド人の奥底にはこうした感情があるのです。
ですので、地震などの危機に対しても、
しっかり自分や家族や取引先には心配をさせないという
頼りがいをしっかり見せる事が大事なのです。
これは考えすぎかもしれませんが、
地震の後に話していて感じたことです。
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