インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第98回
成果管理の厳しいインド企業

先日、あるインド企業に勤める日本人の営業の方と
お話をする機会がありました。
インド企業は、総じて上司の力が強く、
仕事の成果管理が厳しく求められます。
例えば、売り上げが上がらない場合、
部下に対し電話や訪問など、
厳しく営業努力を求めてきます。
そしてその成績に応じて、
シビアに給与の査定、昇進や降格、
あるいは退職干渉へと進むこともあります。

時々知り合いのインド人から、
唐突に営業の電話やメールを受ける事があります。
そういうときは、たいてい上司から
プレッシャーを受けたな、
とすぐにわかります。
普通は、何かの軽い話題や挨拶の後、本題に入りますが、
そういう場合は単刀直入に
営業トークに入る事が多いからです。

一方で、私が手伝っているインドIT企業が、
日本で少し仕事を取った時のことです。
それで勢いに乗って、インドから社長が来ました。

社長は日本事務所のスタッフをねぎらい、
特別ボーナスを出しました。
そしてその社長曰く、今後日本市場では、
これまでにはない営業経費がでるそうです。
実績を出すと、今度はより力が入ることになります。
この信賞必罰のメリハリがわかりやすいのが、
インド企業です。

こうした状況は、
インド企業にいる働きの悪い日本人には、
風当たりは一層強いように感じます。
それは、それまでの悪い雰囲気が、
日本人部下とインド人上司のコミュニケーションを一層悪くし、
悪循環となるからです。

また、部下が年長者であるかは関係のないことなので、
家族主義的なゆるい雰囲気に慣れている年配の日本人男性には
感情的なことも関係あるかもしれません。

これから、グローバルな競争時代に入っていくとすれば、
古き時代の感覚は忘れて、しっかり会社に貢献できるよう
実力を磨いていかないといけませんね。

こういう職場の環境は好きでないという人や、
上司に振り回されたくないという人は、
必死に良い日本企業を見つけるか、
インド人がよくそうするように、
起業することも考えるべきでしょう。


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2012年8月2日(木)

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