インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第100回
ギブアンドテイクの精神でいこう

私の知り合いの一人で、
日本語のできるインド人がいます。
彼は、日本語ができるので、
多くの日本企業からインドでの通訳やガイド、
あるいは個別に単発の仕事を頼まれたりして、
結構忙しくしています。

その彼と話していたら、
日本企業や日本人ビジネスマンに
情報出しても張り合いがない、という話になりました。
日本企業は、彼のようなインド人から
情報を引き出させるだけ引き出させて、何の感謝も謝礼もなく、
後は自分達だけで
紹介された企業などと直接取引してしまうと言います。
そしてそういう会社は、トラブルや困ったときだけ、
コンタクトしてくると嘆いていました。

我々もきちんとギブ・アンド・テイクの精神で接しないと、
本当に困った時助けてもらえなくなります。
そして、長い目で見て良い人を失うことにもなります。
特に礼を失した態度の会社のうわさは、
彼らのコミュニティ内で
すぐに広まるということを頭に入れておいて下さい。

次にギブ・アンド・テイクに関するもうひとつの話題です。
以前、来日したインド人パートナーと
一緒に営業活動していました。
その合間で、彼とショッピングに行った時の話です。
靴やら服やら「よく買うな」と思ってみてたら、
私に「金貸してくれ」と言ってきました。

一応彼から見て私は顧客まので、
『顧客に金貸せというかなぁ』と思いながらも、
「いつ返してくれるのか?」と聞いたら、
「次の仕事の自分への報酬から引いてくれ」と言います。
『それじゃあ、その彼に
何らかの仕事を必ず出さなければいけないということじゃないか』
と心の中で言いました。

インド人は本当に都合のいい思考するなと感心しつつも、
そこはインド人は恩を忘れないこともあるので、
結局貸してあげました。
これで、次の仕事の時は一生懸命やってくれることでしょう。
その代わり、貸しの分しっかりコキ使わせてもらいます。


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2012年8月9日(木)

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