インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第102回
インド市場を攻める

ちょっと古い話になりますが、
経産省発行の「平成23年版通商白書」で、
新興国市場の開拓の重要性が指摘されていました。
それで今回は、日本企業がインドで販売を増やす、
ということについて考えてみたいと思います。

まず「平成23年版通商白書」では、
国内の需要は減り
新興国の需要が増えることから、基本方針として、
日本企業は海外、
とりわけ新興国へ進出することが重要になると指摘しています。
そして、それを積極的に支援するというのが
経産省の基本的なスタンスです。

経産省では、統計に基づき、日本の海外進出は、
日本からの中間財の輸出増を誘発し、
日系現地企業から日本への還流資金が、
研究開発、設備投資、教育投資へまわるのだと指摘しています。
そうした効果で、
企業の海外進出は国内の雇用も増やすことになり、
結果として日本の国益に資することになると、
これまでのデータからも裏付けられています。

新興国への売り方としては、これまでの先進国向けと違い、
現地の状況に合わせてカスタマイズすることが大事だとし、
日本企業にカスタマイズ化対応戦略を求めています。

以上が「平成23年版通商白書」の要旨で、
これは私の考えとも合っており、
さらに意を強くするとともに、
元気をもらえる内容でした。
この文脈に沿って、日本企業が
インド市場で販売を伸ばすために重要なことについて、
私の考えをまとめてみたいと思います。

インドでの販売について考える場合に、
基本的に以下の5点が大事だと考えています。
まず最初に、インドはネットワーク社会であって、
先行者有利な市場であることを認識することです。
これは自動車のスズキを見ればわかると思います。
 
日本でもスズキは、軽自動車で販売は好調です。
しかし、トヨタ、日産やホンダには遠く及びません。
これがインド市場になると、スズキはシェア4割を越え、
トヨタ、ホンダなど大メーカーは、
力を入れているにも関わらず、その差は縮まりません。


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2012年8月16日(木)

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