インド・ビジネスの勘所  土肥 克彦

日本でインドやバングラデシュなどの国に向けたビジネスを行う
土肥克彦さんのインド・ビジネス成功のための小話集

第103回
インド市場を攻める その2

インド市場攻略で気をつけておくべき戦略の続きです。
インド攻略で重視すべき事として、5つの事があります。
第一には、インドはネットワーク社会であり、
先行者有利な市場であることを認識しなければなりません。
 
スズキは日本でも、軽自動車を中心に販売は好調です。
しかし、トヨタ、日産やホンダなどの大メーカーには
遠く及びません。
これがインド市場になると、スズキはシェア4割を越え、
トヨタ、ホンダなど大メーカーは、
力を入れているにも関わらず、
数パーセントのシェアで、その差は縮まりません。

これは、スズキは外資のトップを切って、
1980年代初めにインドに進出し、
長い年月をかけ、インド人の間にブランドを広め、
地方の津々浦々まで販売店網を構築することで、
地域社会に根を張っているからです。
こうなると、後発が多少力を入れたところで、
なかなか勝てないのです。

このように、インドはネットワーク社会で、
地域社会との付き合いや、販売員の人脈の広がりなどにより、
先行者が先に築いた資産が後々まで大きくものを言うのです。
ですので、早期進出し、ブランド認知や人脈を広げることで、
コネ営業や、クチコミが
販売拡大に一層貢献するようになるのです。

二番目としては、先行者有利とも関係しますが、
ブランドの確立が大事と言うことです。

インド人は、基本的に有名ブランドが好きです。
そして、一度そのブランドが気に入れば、
周りに口コミしてくれますし、
他のブランドへの浮気もしない傾向があります。

韓国の家電メーカーがインド市場で大きなシェアを取れたのも、
現地にあわせた新型を投入したこともありますが、
最初から莫大な広告費を投入して、
一気にブランドの認知を高めたことも大きかったのです。

ブランドの認知を図るためには、
この他に展示会の活用なども有効です。

3番目に考えるべきことは、地域戦略です。

次回に続きます。


←前回記事へ

2012年8月21日(火)

次回記事へ→
過去記事へ 中国株 起業 投資情報コラム「ハイハイQさんQさんデス」
ホーム
最新記事へ