目標は「中金」持ち!

第12回
若いときのケチは愛嬌があって頼もしい

これに対して「ケチ」をしなければ、
老後の設計も成り立たず、
商売のための種ゼニもできない立場の人は、
「ケチ」に徹しても誰も文句を言わない。
たとえば、一流ホテルでの結婚披露宴に招待された場合、
学生時代の友達とか会社の同僚は
一万円のお祝いを持って行っても、誰も怪しむものはない。

誰もが若い人の収入が少ないことを知っており、
その人からのお祝いが多いことを
期待していないからである。
ただし、そういう人たちは、お金を出さない代わりに、
力を出すことを期待されている。
三万円かかる披露宴に一万円出して勘弁してもらう人でも、
受付の手伝いをするとか、使い走りをするとか、
友人代表をつとめるとか、こまめに動きまわる必要がある。

むしろ、そうした労力の提供を惜しまないことが
人物の評価につながり、
出世のきっかけになることが多いのである。

したがって、「ケチ」とは年齢不相応、
もしくは、社会的地位とバランスのとれない
「締まり屋」に向けられた非難であるといってよい。

よく結婚披露宴のお祝い金は、
どうせ何百人も来るのだから、
いくらであろうと相手は気にしないだろうと
タカをくくっている人がある。
しかし、これは人間の心理を知らない人の自己弁解であって、
いくらお金持ちの人でも、
そういうとりこみのときはお金のかかるときだから、
誰がいくら包んできたか心に刻み込むものである。

現に、私だって娘や息子の結婚披露に直接かかわったから、
子供の友達やジャーナリズムの人たちが
一万円包むのは当然のこととして、
ちゃんと事業をやっている人で、
しかもふところ具合の悪くない人が
一万円包んできたのに対しては、
「何という常識のない人であろうか」
といまだに名前までいちいち記憶している。
こういう人こそ正真正銘の「ケチ」で、
他人には迷惑をかけないかもしれないが、
友人としてつきあっても決して楽しい相手ではない。

そういう連中に比べれば、
若いときの「ケチ」は愛橋があって、頼もしい。
私などテレビやラジオに出演をすると、
よく「お金を貯める秘訣は何ですか?」と聞かれる。

「簡単ですよ。お金を使わなければいいのですから」と答えると、
質問した人はたいてい、失笑をする。
きっと何かすばらしいヒントでもあるのではないかと
期待していたのに、見事に腰を折られてしまうからであろう。
しかし、お金を手元に残そうと思えば、
入ってくるお金よりも、
出て行くお金を少なくする以外に方法はない。

俗にザルと言われる人たちは、
入るお金は多いかもしれないが、
入る端からドンドン漏れてしまうからあとに何も残らない。

反対に、たとえわずかしか収入がなくても
(大体、収入の少ない人ほど不安もあって慎重だから)、
支出を少なくする。
そうすれば、お金は手元に残る。
時間というものは恐ろしいもので、
そうしたお金は最初わずかな金額にすぎなくても、
「塵も積れば山となる」のたとえどおり、
歳月を重ねると大きなお金になっていくのである。





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2013年12月4日(水)

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