目標は「中金」持ち!

第19回
二十代の経験を三十代に生かせれば、確実にお金が貯まる

男は二十七歳になると、
自分の将来や仕事の将来に対して
少しばかりアセリを感ずるようになる。
どうして二十七歳なのか、本当のところ、私にもわからない。

またはたして二十七歳が正しいのか、
異議を唱える人もあるかも知れない。
当然のことだが、生まれつき早熟な人もあれば、
奥手の人もあるし、また環境によって
早くから志を立てる人もあれば、
一生のんべんだらりと暮らして終わる人もある。

だから、二十七歳とはっきり言えるわけではないが、
私の観察した限りでは、不思議なことに、
だいたい二十七歳前後になると、
男はアセリ始めるのである。

ひょっとしたら、
それはちょうどその年齢が
世帯持ちになる年齢だからかも知れない。
また三十歳の峠が見える
坂道にさしかかっているせいもあるかも知れない。

とにかく、この年齢になると、男は身の振り方とか、
貯蓄の仕方とかに神経を使うようになる。
しかし、もちろん、それらのことに
神経を使うようになったからといって、
すぐにうまく世渡りができるようになるわけでもないし、
またすぐにお金儲けができるようになるわけでもない。

二十代は、処世術についても、
利殖術についても、いわば「初体験」の時代である。
だから、二十代で財をなす人がまったくないわけではないが、
「二十代でつくった金は残らない」言われている。

私自身をふり返ってみても、
二十代で大の男が一生かかって
つくるくらいの金をつくったことがある。

しかも「二十代でつくった金は残らない」
と言われていることを念頭におき、
何とか例外をつくりたいと思いながら、
儲けた金で不動産を買ったりしたのである。

しかし、買った不動産がやっとこさ残ったくらいで、
あとはやっぱりもう一度
初めからやりなおしをすることになってしまった。
どうしてかというと、初めて人生のチャンスにぶつかったとき、
人間はついそれがいつまでも続くような
錯覚を起こしてしまうからである。

ところが、実際には「好事魔多し」で、
金の儲かる仕事には必ず競争相手が現われる。
この調子で五年か十年金が儲かったら、
自分はそうとうの金持ちになるのではないかと思っていると、
一年か二年で情勢は一変してしまうのである。

一つの事業を始めて金を儲けた人が、
その事業で儲からなくなると、気があせる。
あわてて、次の仕事に手を出すが、
一つの仕事で成功した人が
他の仕事で同じように成功するとは限らない。
一般に、仕事に成功する要領を覚えるのは、
成功と失敗を少なくとも一回ずつ繰り返したあとになってからで、
成功につぐ成功というわけにはいかない。

失敗して痛い目にあうと、
この次は絶対に失敗をしないようにしようと
細心の注意を払うようになる。
「三十歳からあとに儲けた金が本当の金だ」と言うのは、
こうした成功と失敗の裏打ちをしたあとに
入ってくる金だからである。
いわば筋金入りの金なのである。





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2013年12月20日(金)

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