目標は「中金」持ち!

第20回
貯蓄十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両

二十七歳から以後はアセリが出る、といったが、
アセリが出始めると、人間は貯金を始める。
むろん、もっとずっと早い時期から
貯蓄の習慣を身につけている人もあるし、
四十歳過ぎても、貯金は皆無というノンキな人もいる。

しかし、結婚の年齢が近づくと、
結婚に備えて男も女も少しずつ貯金をするようになるし、
結婚でもして家庭を持つようになると、
生まれてくる子供の将来のことも考えて、
貯蓄が次第に計画的なものになってくる。

貯蓄のことを英語ではSAVingという。
SAVingとは節約のことである。
つまり、貯金とは毎月の収入の中から
余ったお金を残しておくことではなくて、
毎月の生活費の中から節約をして強制的に、
もしくは、はっきりした意志にもとづいて、
残す金のことなのである。

したがって、貯金は消費に優先すべきものであって、
そうとう強固な意志を持っているか、
計画的に先取りするかしておかなければ、
なかなか貯まってはくれないものである。

私は色紙を頼まれると、
よく「貯蓄十両、儲け百両、見切り千両、無欲万両」
と書くことがあるが、これを見ても、
私が貯蓄の威力をそれほど評価していないことがわかると思う。

一人の人間が一生かかっても、
貯蓄だけで巨額のお金をつくることはできない。
よく新聞などに、身寄りのない老人が
1億円の貯金通帳を残して死んだ、
などと報道されることがあるが、
その場合の一億円は決して毎月の月給を貯めて、
複利で利息をもらった結果が積り積って
できあがったものではない。

郵便貯金や銀行預金は金利はいくら高いときでも、
複利で十年で倍というのが限度で、
十年前の五千万円が今やっと一億円になる勘定である。
しかし、十年前の五千万円といえば、
今の二億円以上の値打ちがある。

そんな大金を持っている人はめったにいないし、
金を持っている人で、
お金をそのまま銀行に預けておくなどという人も
めったにいるものではない。

偶然、億の金を残した人でも、
その金の出所をたぐっていくと、
不動産か株を処分して金に換えた時期があり、
単なる貯金をして億の金になった人などまずいないのである。

どうしてかというと、
まず第一に金儲けのうまい人で、
貯金で金を増やそうと考える人はいないし、
第二に貯金をやっていたのでは、
この世の中で金持ちになる望みはないからである。

つまり、貯金は金持ちのやるものではなくて、
金のない者のやるものなのである。
貯金をやって小金持ちになる人はあっても、
大金持ちになる人はいないのである。

では、貯金は役に立たないかというと、
もちろん、そんなことはない。
どんな大金持ちもいちばん最初に
貯金からスタートしない人はいない。
貯金は、お金を大切にする人でないと、
持続的に続けることはできないし、
お金を大切にしない人で
大金持ちになれる人は一人もいないからである。





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2013年12月23日(月)

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