第26回
サラリーマン社会ではプ口とアマの区別があいまい
プロというと、野球のプロとか、ボクシングのプロとか、
ゴルフのプロを連想する人が多いかもしれない。
あれも、もちろん、プロである。
あの場合のプロとは、職業として
スポーツに従事している人のことで、
同じスポーツをホビーとしてやっている人々と区別している。
たとえば、以前は、オリンピックはプロの参加を認めなかった。
企業に勤めている人とか、
学生が片手間にやったスポーツで
優秀な記録をあげた人が国を代表して参加していた。
ただし、これらの人々がサラリーマンや学生として
ちゃんと本職にいそしんでいたかというと、
本職は名のみというのが多いから、
プロとアマチュアの区別はそれほどさだかではない。
アマチュアとしてプロに負けないくらいの好成績をあげ、
世間から注目されるようになると、
プロの世界から誘いがかかる。
甲子園の高校野球で大活躍をし、
ジャイアンツやタイガース入りをすると、
プロ入りをしたことになる。
プロ入りをすれば、右を向いても左を向いても、
皆、プロばかりである。
プロの一人として扱われるようになれば、
「お前はシロウトだ」と言われることはなくなる。
その代わりプロとしての実力を問われることになる。
ところが、サラリーマンの社会では、
どこまでがプロで、どこからがアマか、はっきりしていない。
何十年やっていても、
まるで要領を得ない人もあれば、
何年もやらないうちに、たちまちクロウトはだしという人もいる。
大体、サラリーマンにプロとアマがあるわけではない。
同じようにサラリーをもらっているが、
やっていることは千差万別であり、
それぞれの担当分野で
プロの域に達しているかどうかの違いがあるだけのことである。
では、プロかプロでないかは、どこで区別するかというと、
一つの職場でやっていたことが
そのまま他の職場へ移っても通用するかどうかである。
もしくは、独立して自営しても
立派にメシを食っていけるかどうかである。
サラリーマンとして、ある会社に就職する場合は、
何一つ特殊技能を持たないで就職することが多いから、
プロとはいえない。
プロでない者が就職して何十年たっても、
プロになりきれないで終わることも
決して少なくはないのである。
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