第41回
株も不動産もうんと下がったときが買い
過去の例を見ると、
いったん、デフレにおちいると、
三年や五年では容易に回復できない。
だから、今度も十年とか、
それ以上はデフレが続くかも知れないと
デフレが始まった時点で予想したら、
そのとおりになってしまった。
しかし、以前のデフレと違って、
紙幣を印刷して金融機関を救済したり、
財政資金を使って不良債権の整理をする政策がとられているので、
どこかでデフレが底を打てば
反転して再びインフレに戻る可能性は大きい。
何年もデフレが続いて、
さんざん辛酸を嘗めさせられたら、
地価や株価のテコ入れに反対してきた
経済オンチのジャーナリストたちも、
インフレによる景気の刺激に同調するようになるかも知れない。
そうなると、デフレによって崩壊したかに見えた株価と地価も、
また諸悪の根源のように批判されてきた
「土地本位制」でさえ、
再び陽の目を見ることが考えられる。
事実、いまでも銀行からお金を借りようと思えば、
不動産を担保に提供しなければ話は一歩も先へ進まない。
お金の貸し借りの世界では、
土地本位制はまだ死んではいないのである。
ちょうど、共産主義が死んでしまったはずのロシアで、
共産党が再び勢いを取り戻したように、
日本経済発展の跳躍台になった土地本位制が息を吹き返す時期は、
そんなに遠い先の話ではないのである。
少なくとも私はそういう見方をしている。
だから、株がうんと叩かれたら株を買え、
土地が下がりに下がったら土地を買え、である。
株や土地では収入を生まないから、
定期収入の欲しい人は収入を生む不動産に注目すべきである。
銀行金利が〇・五パーセントに下がったのに対して、
マンションの利回りは六パーセントに戻りつつあるから、
銀行預金を捨てて不動産に乗り換えるときが
近づきつつあると見てよいだろう。
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