目標は「中金」持ち!

第53回
株が高くなってからガマンするのが本当の辛抱

買い値を割って値下がりした株が
永遠に水面下に沈んでいるのなら、
自分の見立て違いと思い、あきらめて、
思いきって処分をしてしまうことができる。

ところが、そうした株の中には
買い値を回復して新高値をつけるばかりでなく、
買い値の倍にも三倍にも化ける株があり、
しかも戻るハナに売り飛ばして
せっかくのチャンスを取り逃したりすると、
あきらめるにあきらめきれず、
悔しい思いをさせられる。
こういう悔しい思いをしないですむ方法は
ないものだろうかと誰でも考える。

そのためには、長い間、塩漬けにしておいた株が
自分の買い値に戻っても絶対に売らないという戒律を自分に課し、
それを守り通すことである。
下がった株を下がったときに処分して、
あと何年後かに何倍も上がるのを見るのは
気持ちのよいものではないが、
売った翌日から上がり始めて
何倍にも上がるのを見るよりはまだましである。

だからいっこうに動きがなく、
すっかり膠着状態におちいってしまった株が
動意を示して自分の買い値を突破してきたときは、
どんなことがあっても絶対売ってはいけない。

そういうときの株は久しぶりに上昇気運に乗るのが普通で、
「それが株の定石である」と自分に言い聞かせることである。
たとえ途中で何回も「だまし」にあったとしても、
株価の動きにはだましがつきものだからと、
覚悟を決めてそれを乗り越えていくことである。

「しばらく忘れてほっぽり出しておくことです」とは、
こういうときのことを言うのであって、
株価が自分の買い値を割っているときのことではない。

というのも、自分の買い値を割っているときは、
売りたくとも売れないから売らないのであって、
いわば牢屋に入っているようなものである。
出るに出られない状態を辛抱しているとはいえない。

ところが、自分の買い値を突破すると、
刑期が明けて自由の身になったようなものであり、
売ろうと思えばいつでも売れる。
そういう状態になってから、
売らないのは自分の意思で売らないのだから、
それから先を「辛抱」と言うのである。

株式投資はもともと投機のことであって、
うまく立ち回れば、一攫千金も夢じゃないと
軽く考えている人がある。
が、なかなかどうして、正確な情報や
情報を振り分ける判断力も必要だが、
株式投資に本当に要求されるものは、
目的を達するまで耐え抜く忍耐力である。

もし正確な判断を下し、間違いのない銘柄を選ぶことに
全精力の20パーセントを使ったとしたら、
それから先、あらゆる障害や誘惑を乗り越えていくために
消耗する精力は80パーセントくらいだといっても
決して誇張しすぎたことにはならないだろう。

そういう環境に自分を置いて、
なおかつ「しばらく忘れてほっておく」ことができれば
もとより一人前だが、
なるべくそうできるように自分を訓練することが大切である。

多分、そのためには他に心を奪われるような趣味とか
仕事を持っていて、
株に関しては不在地主のような心がけで接するようになれば、
辛抱する間がしのぎやすいのではないかと思う。





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2014年3月10日(月)

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