目標は「中金」持ち!

第54回
株は職業としては成り立たない

人生の風景の中に株式投資が入るかどうかは、
全くきっかけの問題にすぎない。
私のように全然そういう環境に育たなかったのに、
自分でその中に入り込んでいった者もあれば、
自分の商売や職業だけに徹して、
ついに一生、株と関わりがなく終わる人もある。

また株式市場に足を踏み入れた人の中にも、
株式市場と常に一定の距離を保って、
やや第三者的な冷ややかな目で観察をしている
私のような者もあれば、株に熱中して、
心も足も取られて「株に淫する」ほど
その中にひたりこむ人もある。
私は「朝から晩まで相場とにらめっこをしても、
そんなに成績が上がるものではない。
株は職業としては成り立たない」
という考え方の持ち主であるが、
もちろん、故是川銀蔵さんのように、
相場一本で日本一の高額所得者にのし上がった例外もある。
また第二、第三の是川銀蔵を目指して
新しく兜町に足を踏み入れる野心家も跡を絶たない。

しかし、例外はあくまでも例外であって、
誰もが例外になれるわけではない。
もし日本国中の投資家がことごとく是川銀蔵になろうとしたら、
結果は果たしてどうなるだろうか。

「米をつくる人がいなくなって、
詩をつくる人ばかり増える」のも困るが、
「生産に従事する人がいなくなって、
財テクに狂奔する人ばかり増える」のも、
昨今のアメリカを見てもわかるように、
全く困りものなのである。

ただ幸いにして、いくら皆がそれを狙っても、
いや、皆が狙えば狙うほど、
その願いのかなう人は少なくなるものであり、
したがって株で財産を傾ける人は現われても、
株式市場全体が傾いてしまうことはまず考えられない。

というのも、株の売買は、
株を上場している会社の業績と財産のどちらか、
もしくはその両方の動きを反映するものであり、
上場企業が全体としてピンチにおちいり、
破産寸前まで追い込まれることでもなければ、
株の大暴落につながっていくものではないからである。





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2014年3月12日(水)

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