目標は「中金」持ち!

第55回
財産三分法は安全に重きを置いている

昔は財産三分法と言えば、全財産を
現金、株、不動産の三つに分けて持つことであった。
どうして三つに分けるかというと、
現金と株と不動産では、その時代時代によって違った動きをし、
それぞれ一長一短あるので、三つに分けておけば、
危険の分散になると考えられてきたからである。

現金といっても、
現ナマのまま金庫の中にしまっておくわけではない。
現ナマのままだと、いつドロボーや強盗にあうかわからない。

だから、たいていの人は銀行や郵便局に預けておく。
と言っても、当座預金にしておいたのでは金利がつかないし、
普通預金では金利が安すぎる。
すぐに使わない場合はたいていの場合、
定期預金にしておく。
なかには金融債や社債を買う人もあるが、
元本が保証されていて、
経過した分だけ金利を払ってくれるような債券なら、
実質上、現金と見てもさしつかえないだろう。

いつでも使いたいときに使えるという意味では、
現金性の預金ほど強いものはない。
とりわけ不況で株価や地価の下がっているときに、
急にお金が必要になった場合、
安くなった株や不動産を叩き売るのは如何にももったいない。

そういうときは現金が一番役に立つ。
なかでも換金を急いでいる人は、
土地でも商品でも損得を無視して売り急ぐから、
現金を持っている人は安い買物をすることができる。

その代わり、経済の発展しているときとか、
インフレでお金の値打ちがドンドン下がっているときは、
現金は日照りにあった雪だるまのような目に遭わされる。

いまでこそ地価が四分の一、五分のーにも下がって、
現金を持っている人が強い立場に置かれるようになったが、
戦後約半世紀、バブルがはじけてからのここ数年を除けば、
現金を持った人はほぼ負けの連続であった。

たとえば、昭和二十年代の半ば頃、
東京赤坂の土地は坪当たり千円で買えた。
それが四十年後には坪当たり一億円を超えたのだから、
十万倍になったことになる。
仮にそれが地価の反落で十分のーに縮んだとしても
なお一万倍だから、銀行に現金で預けておいて
十年に複利で倍ずつになっていたとしても、
四十年にしてやっと十六倍にしかなっていない。

この間、ずっと高い金利を払い続けたとしても、
四十年で四十倍は金利を払っていないから
四十倍が一万倍になったことになる。





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2014年3月14日(金)

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