第68回
リスクを恐れるな。チャンスがあるかどうかが問題
日本の周辺のアジアの国々では、
かつて日本で経験したような経済成長が始まったばかりである。
かつての日本もそうだったが、
これらの国々では資本と技術が不足しており、
その提供を日本をはじめ、先進国に求めている。
肝心の日本ではこれらの国々の
カントリー・リスクをおそれて投資を躊躇しているけれども、
本当はカントリー・リスクを
うまく克服できれば
お金儲けのチャンスはいくらでもあるのである。
ではどうすればカントリー・リスクが回避できるかというと、
まずリスクをこわがらないことである。
そのためには、万一、失敗をしても
文無しにならないだけの危険分散、
もしくは保険をかけておけばよい。
即ち、まず第一に、
お金の儲かりそうな有望投資対象を探しあてることである。
十八世紀、十九世紀のヨーロッパでは、
交易のためにアジアに船を出すのが一番の儲け話であった。
ただし、船に山と荷物を積んで送り出しても、
うまくインドや中国まで船が辿りついて、
こちらが必要とする物と交換でき
無事帰って来てくれるかどうかわからなかった。
途中で嵐に遭って沈没することもあれば、
海賊に遭って船ごと持って行かれてしまうこともありうる。
また運んでいった商品がうまく売れなかったり、
せっかく仕入れて来た商品が思うように売れずに、
良い成績があがらない場合もある。
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